Heart of Melody



「うちも、好きだよ

長月が」


耳元で囁く水無月。


「………/////」


俺は、いつもと雰囲気を違う水無月にドキッとした。


「…迷惑かな…?」


「なに言ってんの?俺から告ったんだぞ?」


「ふふ、だね」


水無月は微笑んだ。


「てか…俺らビショビショじゃねぇか((笑」


気づけば俺らは雨に当たったまま抱き合ってたみたいだ。



「っくしゅ!!」


水無月が思わずくしゃみした。


「寒いか?」

「ちょっと……だからくっつく」


水無月は上目遣いに笑いながらまた俺に抱き着いた。


「おまっ…////」


「甘えさせて?」



水無月の体温が、俺の濡れて冷えた体を温めた。



「……水無月」

「………ん??」


「付き合ってくれる?」


俺は思わず聞いた。


「…ん」


小さく頷く水無月。


俺は、水無月の顎を指で上げ、顔を上向きにさせた。



「長月??」


「………嫌なら殴れよ?」


俺はそう言って、自分の唇を水無月の唇に重ねた。



雨の味がした。



「………ッ」


水無月は、突然の事に戸惑ってか俺のジャージを強く掴む。


「……ごめん、嫌だったか?」

「まさか…嬉しいよ」


水無月は微笑んだ。


俺らは一つ傘の下、寄り添い合いながら帰った。




< 34 / 134 >

この作品をシェア

pagetop