Heart of Melody
「……伝えたら水無月と長月が別れるかもしんねぇだろ
そんなことはしたくねぇよ」
師走はしおらしいこと言った。
「でも…そしたらお前の気持ちはどうすんだよ」
「………今、考えてる」
師走はそう言って走って行った。
里佳はそこにたまたま居合わせた。
「……」
「これを言って、なっちゃんと長月が別れろって訳じゃないし、むしろ二人はずっとラブラブで居てほしい
けど、一応…ね」
里佳は制服の裾を強く握っていた。
「水無月…お前は…」
長月の言いかけでうちは遮った。
「うちは長月が好き
師走は友達として、好きだから傷付けたくない…けど、うちにはどうしようもないよね…
うちは長月が好きなんだもん…師走を好きには…簡単にはなれない」
うちは、悲しかった。
人がこうやって傷付くのは嫌。
冗談でグサッと人の心を刺すのは、うちもやっちゃうけど、冗談だから。
今は、冗談じゃなくて本気。
本気だから師走は休んでる。
「師走は、きっと気持ちを整理してるんだよ
そのために、誰とも会わずに、自分で自分に向き合ってるんだよ
きっと整理ついたら学校に来てくれるよね」
うちは、思ってたことを全て言った。