Heart of Melody
今日も実行委員会があり、今日の仕事は自由曲の歌詞を大きい模造紙に書き、ポイントや強弱を書き入れたりする。
「よっと…」
模造紙を広げ、水無月は早速歌詞の下書きを書き出した。
「……俺はなにしてればいい?」
「下書きの上からマッキーでなぞって」
「いや、俺ペン苦手だから下書き俺やる」
「良いけど早く書いてね?」
「任せろ!」
俺はササッと書いていたはずが…。
「師走ぅー遅い!!」
「水無月が早すぎんの!もっと丁寧に書……いてたね!ハイ、すいません」
「もう!」
膨れっ面の水無月が可愛いな、なんて思っちゃう俺はおかしいかな?
日にちはどんどん過ぎ、10月の真ん中。神無月。
合唱発表会の本番は10月の下旬。着々と近付いていた。
「きらめく、青葉♪」
自由曲の練習中。
ガタンッ!!
水無月がよろけ、教卓に手をつけた。
「大丈夫!?」
睦月が駆け寄り、水無月を見る。
「ちょっと貧血気味で」
水無月は真っ青な顔をしていた。
「今日止める?」
歩夢が言った。
「そんな事は出来ないよ本番近いのに」
リーダー格の女子が言う。
「ごめん、みんな
大丈夫、指揮振れるから」
「ムリして倒れられても困るの」
「だからって本番近いんだからやらないわけにはいかないんでしょ??」
水無月はますます顔が青ざめていた。