Heart of Melody
「………なっちゃんさぁ自分可愛いからって調子乗らないでよね、ウザい」
(うわ、すげぇ事言うな)
「調子にのった覚えはないから、アンタの方が調子のってんじゃない?何様のつもりよ」
水無月は女子を睨みつけ、教室をフラフラと出て行った。
「ぅわ...酷いよ
なっちゃん頑張ってんのに」
「そうだよ、てめー水無月のこと考えてやれよ」
水無月の文句を言った女子は涙目で教室を出て行った。
「……水無月の様子見てくる
課題曲やってて」
歩夢はそう言って、教室を出て行った。
確かに指揮が居なければ伴奏も弾けないからな…。
俺は少し心に引っ掛かりながらも課題曲を歌った。
「じゃあ歌練終わり、気をつけ、礼」
俺は号令をかけて(実行委員だから)保健室へ。
「失礼します…」
「あっ師走」
水無月がベッドに座っていた。
隣には歩夢がベッドの横の椅子に座りながらベッドにもたれて寝ていた。
「なんで歩夢が寝てんだよι」
「うちが廊下で気失っちゃったとこに来てくれて…運んでくれたみたいでさ…
目が覚めたときにはすでに寝てたよ」
水無月が少し嬉しそうに言った。
「ふぅーん」
俺は少しムカつきながら返事した。