Heart of Melody
「よっ!」
師走が来ていた。
「わっ、来てくれたの?」
水無月とか居るのかと少し期待したけど居なかった。
「水無月は来ねぇよ、少なくとも今日はな」
師走は無表情で言った。
「なにか…あったのか?」
「……それを話にわざわざ反対方向の歩夢ん家に来てんだよ」
………悪い予感がした。
「……具合大丈夫か」
「まぁ、月曜からは行けるよ、学校」
「じゃあ、単刀直入に言う
俺、水無月に告った。」
「………え?」
水無月はモテるから、別に気にしてはなかった。
だって俺と付き合ってても告るやつはたくさん居た。
「水無月は、歩夢が好きだからムリって言った」
「………」
「俺、水無月を諦めるつもりはないから
三日間休んだ時、決めた」
「………だから?」
「水無月が、お前と別れるって、言うかもしんねぇって言いにきた」
「どういうつもりだよッ…」
びっくりしすぎて、何がなんだかわかんねぇ。
「俺も水無月が好きだから、負けない
誰にも負けない」
師走はそう言って出て行った。
「意味…わかんねぇよ…ッ」
崩れてく。
いろんなものが、崩れてく。