Heart of Melody
部活で水無月はずっと泣いてた。
何も話せずただただ泣いてる水無月を睦月が隣に寄り添っていた。
師走はそんな水無月を気にかけながらも卓球をしていた。
「長月、水無月なんかあったのか…?」
友達に聞かれたけど、
「俺は、もう水無月の彼氏でもなんでもねぇから…わかんないよ」
水無月を見つめる。
水無月は膝を抱えて座り、顔を伏せていた。
水無月が遠く感じる。
手をのばしても、届かない。
考えるほど苦しくなる。
水無月は突然すくっと立ち上がり、卓球をやりだした。
なにかを晴らすかのように激しくボールを打っていた。
まるで、水無月の中から俺を追い出そうとするかのように……。
俺も、同じように今日は守らず、攻めた。
好きだけど、水無月を忘れる。
水無月、好きだよ。
好きだから忘れる。
俺の中の水無月をなくした。
水無月は、好きだけどただの女子。
もう、知らない。