Heart of Melody



「送るよ」

「ありがと」


二つ並んで出来た影。



「……水無月」


「なに…?」


「好き」


「え?」


「言いたかっただけ」


「なにそれ」



師走は黙ってうちの手を握った。


「手、繋ぎたい...んだけど...嫌か??」


うちの顔を覗き込む師走。


その顔にドキッとしていた。


さすが学年一カッコイイ奴…。



「いいよ、繋いだままで」


うちも握り返した。



新たなMelodyが流れ出していた。


少しずつ、うちのMelodyが師走のMelodyと協和音を奏で始めていた。




「………水無月、師走と ...付き合い始めたのかな?」



そう呟きながら、二人を見つめていた、長月。


うちも師走も知らなかったけど……。




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