Heart of Melody
Kukai's Melody
「やっ誰!!??」
俺は水無月の顔を覗き込んだ。
「しっ師走!」
「話、聞いちゃったんだよ」
「立ち聞き?最低ι」
「聞こえちゃったの!なぁ歩夢?」
後ろにいた歩夢はなんか複雑な表情をしていた。
「……そんなモテてたんだ」
歩夢は呟いた。
「……なんで?」
水無月はキョトンとしつつ聞いた。
「知らなかったから、意外だなって!」
やっと歩夢は顔を上げて笑った。
「まぁ去年は長月ピアノ一筋だったじゃん」
「まぁな☆でも本当水無月の指揮やりやすかったなぁ」
「音楽系が得意ってのが取り柄だから~」
水無月は少し照れ臭そうに髪を弄った。
「なんでも楽器弾けるもんな」
歩夢はニコッと笑った。
「下手だよ?」
「上手いって」
いつの間にか二人の世界にι
「オーイ、お二人さん、二人の世界に行くなよι」
俺はなんか二人が仲良くしているのが気に入らなくて、思わず話を遮った。
「こらこら、師走~ラブラブなとこ邪魔しないの~」
睦月が笑いながら言った。
「えっ!お前ら、付き合って…」
「「ないないι」」
水無月と歩夢は同時に言った。
「アハハッジョーダンですからぁ」
睦月はそう言って自分の席に行った。