Surprise!!
「昔・・・俺のおばあちゃんが亡くなったとき、原因が分からんかったんや。せやで、俺に過去を見るように皆は言った。でもな・・・」
紗枝は俺の話を真剣に聞いている。
「見えんかってん。ばあちゃんの過去。」
「・・・え?」
「触っても、何も見えんかった。亡くなった人の生きていた記憶は、見ることができんのや。」
「そう・・・なんや。」
しばらく沈黙が続く。
ふと、思い出したように紗枝は言う。
「なら、先輩を見ればええんちゃう?先輩は生きてるし!!」
「・・・そや、先輩・・先輩を見ればええんや!」
俺と紗枝は次第に元気を取り戻し、いつもの調子になる。
やっぱり俺等はこうでないとな。
ガチャ
俺はドアを開ける。
その先には、うつぶせで倒れた死体と、笑みを浮かべた先輩。
「・・・先輩、ちょっとええですか?」
「・・・いいですよ。来ると思ってました。」
先輩は更にニコニコしながら俺に言う。
「さあ、どうぞ。"見て"ください」
先輩は自ら俺の手をとり、自分に触れさせた。
俺は先輩に触れながら、先輩の過去を探る。
昨日会ったことや、その後帰ったことも・・・・。
しかし。
「・・・なんで・・・」
「どうしたん?狼谷・・・?」
先輩の過去に
"殺した過去"なんて存在しなかった。