Surprise!!
「しかも血のりベタベタするしー?もう父さんチョベリバー」
地味に古い言葉が少々ウザイが、年代だから仕方ない。
先輩はクスクス笑っている。
「・・で、狼谷くん、続きをどうぞ?」
先輩はそう言って、もう一度椅子に座りなおす。
「先輩の過去に『殺した過去』が無かったのは、実際に何もしてへんから。そして、被害者・・・というか父さんに触れさせなかったのは、過去が見えてバレるのを防ぐため。」
先輩は頷きながら聞いている。
「父さんに触れられたら、自作自演って分かっちゃいますもんね」
俺は父さんの方を一瞥し、続ける。
「この部屋に設定したのは、さりげに俺に真相に近づいてもらう為、やろ?」
「そうや。」
父さんは笑顔で返す。
でも腹部に血のりがついているので、なんか気持ち悪い。
「まあ、俺にメールを送ったのは父さんの独断だと思うけどな」
「・・・光邦さん、あなたって人は」
先輩は父さんの方を見てため息をつく。
「いやー、なんだか嬉しくなっちゃってね、ハッハッハ」
変な笑い方は直らない。
「ちょ・・・ちょっと待って!つまり・・今までの全部・・・」
紗枝が動揺したように言う。
「全部・・・嘘やった、ってこと?」
「・・・まあ、そんなとこやな」
「ほんまに~。ああ、うちこんな頑張ったのに・・・」
紗枝はその場に座り込む。