Surprise!!

「でも、なんかいろいろとやりすぎやろ。」

俺はため息をつく。

「だって久しぶりに会ったじゃん?ちょっとサプライズっぽくしようと思ってー!」

父さんは現代風なノリで言う。

「で、なんで先輩がこんなクソみたいなサプライズに参加を?」

さりげなくひどいことを言う俺。

後ろのほうからひどい!と聞こえるが無視。

「光邦さんには、僕の父がお世話になっていますからね。」

先輩はニコニコしながら言う。

「山崎くんのお父さんは、私の親友であり、良い取引相手なんでね。」

「ちなみに父は絶対参加しないと言って部屋に引きこもってましたよ」

・・・先輩のお父さん、懸命な判断やと思います。

「洋徳はノリ悪いからなあ」

ハッハッハ、とまた変な笑いを響かせ、父は言う。

「まあでも、見事な推理だったよ。翔。それに紗枝ちゃんも」

「ありがとうございます!!」

いつの間にか紗枝は立ち直っている。

「それにしても紗枝ちゃん、大人になってねぇ」

父さんは5年くらいずっと単身赴任していたので、久しぶりの再会。

紗枝は喜ぶのもよく分かる。

紗枝と父さんが雑談している中、俺は先輩に問う。

「どうしても分からなかったんですけど・・・・」

「何かな、狼谷くん?」

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