Surprise!!
拠点は主に俺達の通う桃坂高校。

そこで俺達は依頼を受け、仕事をする。

まあその半分が大抵落し物、の依頼だ。

俺の力を使えば、どこにあるのかが分かるから。

たまに、近所の人や老人の方からの依頼もある。

この前の洗濯物落書き事件や、老人の方の介護とか。

要するに何でも屋みたいなもんや。

報酬は無料。でもたまにご老人の方は賃金をくれる。

特に3丁目の田中さんはかなりくれる。

あ、でも田中さんちょっと理屈っぽいとこあって・・・・・

「何しとるん?」

俺の脳内会話が中断される。

「何しとるってお前が何しとんねん!肉じゃが置いて早く帰ればええやろ!」

「何やて!人がせっかくウマい肉じゃが持ってきてやったのに!アンタには食べさせんわ!」

「何でや!お前が作ったわけじゃないやろ!お前にそんなこと言う権利ないねん!ドアホ!」

「でも持ってきたんはうちです~、うちにも権限あると思いますけど~!」

「ないわ!お前は所詮『持ってきた人』止まりやねん!それ以上にもそれ以下にもならんねん!」

「なんやて・・・・」

「いい加減にしなさい!」

ヒートアップしてきた口撃に歯止めをかけたのは俺の母。

「肉じゃがは皆で食べればええやろ!はい終わり!終了!」

こういうときの母は結構怖い。

母のTシャツに描かれたヒョウと同じ顔をしている・・・ような気もする。

「じゃっ・・・じゃあおばさん!お邪魔しました~・・」

「はい、お母さんにありがとうって言っといてね~♪」

既に機嫌が直っているのはさすが母。

そしてどさくさに紛れて帰っていったヤツに微妙に腹を立て、俺はその場をあとにした。
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