坂井家の事情
悠太が負けた時には、クラス女子全員の餌食(オモチャ)にされるのは間違いなかった。

彼女たちの様子を見れば安易に想像がつく。悠太にとってそれは、屈辱以外の何物でもない。

「なぁなぁそれより、この3人の中では誰が一番可愛いと思う?」

「はぁ!? 何だよ、人が真剣に悩んでいるってのに…」

文句を言いつつも、こちらへ見せるように広げられたグラビアを覗き込んだ。

場所は海岸であろうか。

砂浜で色とりどりのビキニを着た十〜二十歳代くらいの若い女性3人が手を繋ぎ、はしゃぐように立っていた。

彼女たちは水面を蹴っているのか、足元から真正面へ向けて水飛沫が放たれている。どうやらその瞬間を捕えた写真のようだった。

「やっぱりこの中だとみずっきぃが、ダントツで可愛いよな。胸だって一番大きいしさ。
それにこの腰の括れ具合とか、ボディラインのエロさには誰も敵わないぜ」

何処かのエロオヤジみたいなことを言いながら、大輔は恍惚とした表情でグラビアに見入っている。
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