拘束お姫様 *番外編開始
「貴方達が猫を被っていても、もう全て 僕は分かっている。 貴方達の本心も、ね」
しん、 と少しの間 その部屋は静まりかえる。
しかし、
「そうですか。 あの子が奴隷だと、知っていたのですか」
開き直った義理の母の声と、笑い声が、その静けさを壊した。
「王子様は奴隷がお嫌いなのだと思っていましたの。 もし奴隷と知られてしまい あの子が捨てられたら・・・・・、と心配していましたのよ」
「・・・・・・・」
「あぁ、心配といっても、あの子自身の事を心配していた訳ではありません。 富の財力を手に入れるのに利用できる道具を失ってしまう事を、心配していましたの」
「シンデレラは、道具ではない」
「あら、王子様は お優しい方なのですね。 貴族の間では、奴隷なんて良いように利用する道具そのもの、ですわ」
この女は、本当に穢れている。
無理やりにでもお城に住まわせて良かった、 と 彼は心底から思った。