拘束お姫様 *番外編開始
「シンデレラ、そこに居るんだろう?」
湯殿はあまりにも静かだった。
「――――っ」
そんな静かな湯殿で、彼女はただ息を殺し 涙を零す。
「・・・・・あたしは、此処に居ては 駄目なんです」
小さな声が その湯殿に響く。
「何度言おうと、僕は君を此処から出すつもりはないよ」
「・・・あたしは、誰からも好まれない者なんです」
震えた声を聞き、 彼は そっ、と 湯殿の扉を開ける。
「皆、あたしを嘲笑う・・・・」
( 可哀想な奴隷の子 )
「・・・・あたしを見て、同情する人もいます。 でも、同情なんて されたくないんです」
濡れたタイルに座り込んでいた彼女は 服を着たまま、全身ずぶ濡れだった。