拘束お姫様 *番外編開始
シンデレラの父親を捜している、だなんて 言えない。
彼女は何も知らなくていいのだから。
では一体、どうする・・・・。
この少女に嘘をつくのは、心が痛い。
王子がそんな事を考えあぐねているうちに、
「すみま、せん・・・・」
シンデレラの小さな声が、静けさを破った。
「王子様に干渉しては・・・・いけないのに・・・・」
彼女は瞳を伏せて、強くシーツを握りしめている。
「シンデレラ・・・・」
( 僕に干渉しなくていい )
もしかして、ずっとその言葉で、彼女を縛りつけていたのだろうか。
此処(お城)に閉じ込められる理由も、城外に出る事を許されない理由も、何も訊いてこなかったのは、“訊けなかった”せいなのだろうか。
それとも、“奴隷”であるがために、閉じ込められる事は当たり前だと、感じているのだろうか。
貴族の元でいるより、此処にいる方が、彼女にとっては自由だと 確信していたのに。
“奴隷”という文字から、少しも彼女を解放させる事は出来ず、 反対に、更に縛りつけていた。