拘束お姫様 *番外編開始



「・・・・あたしは」


神様、奴隷である あたしの最後の願いを、どうか叶えてください。


この想いが報われてほしいなどとは、願わない。
ただ一度だけでいいから、


「・・・・王子様の事を、好きになってしまいました」


彼に あたしの想いを知ってもらいたい。


「・・・・」


あなたが黙りこむのは、きっと呆れているからなのでしょう。
奴隷ごときが 王子に恋をするなんて、許されないのだから。

それを一番理解しているのは、あたし(奴隷)。


「・・・・・ごめんなさい」


だからちゃんと、謝るの。

想いを伝えれば、それで良い。 あたしの願いは、叶えられた。
そして、次にあたしがするべき事は、この想いを 消すことだけ。




< 132 / 208 >

この作品をシェア

pagetop