拘束お姫様 *番外編開始
♯ 2
*
( 母様は、もう戻ってこないの? )
大好きだった彼女が亡くなったあの日、震えた手で 彼の手を握り締めていた。
強く、その手を握っていないと、彼も――――父様も 何処かへ行ってしまうんではないかと思ったから。
( 大丈夫、シンデレラを一人にはしないよ )
暖かい その手で、優しく頭を撫でながら 彼はそう言った。
確かに、そう言ったのに――――・・・・・
新しいお母様とお姉様と一緒に、新たな生活が始まってから 三年後、
( ごめんね、シンデレラ )
あたしが眠るとき 最後に彼はそう呟いて、
( ・・・・・父様? )
次の日には、屋敷から姿を消していた。