拘束お姫様 *番外編開始
「最近、ある貴族の屋敷に何度も行っているそうじゃないか」
「…えぇ、そうですけど」
さっさとこの場から逃れたいクロードだったが、国王が放つ雰囲気は彼を逃がそうとしない。
「それに、奴隷である女を此処に閉じ込めているとか」
「以前舞踏会を開いた時に、彼女が気に入ったので」
「だが所詮、奴隷だろう。 お前に相応しい者ではない」
刹那、クロードからおぞましいほどの、冷たいオーラが放たれた。
「奴隷など関係ありません。僕は一人の女性として、彼女を愛している」
「その「愛」は、いつまでも続きはしない」
「……っ」
「一時の「愛」などに心を動かすな。お前はこの先、偉大なる国王になる事だけを考えておけばいい」
最後にそう言い捨てて、彼はクロードに背を向け、遠ざかっていく。
「僕は―――っ!」
我が子の言葉も聞かず、国王はそのまま行ってしまった。