拘束お姫様 *番外編開始





豪勢なその屋敷の一室に、彼等――クロード達はいた。
その場の雰囲気は、決して良いとは言えない。


「……まさか、本当に…見つけてしまうだなんて」


シンデレラの義理の母は悔しさのあまり、恐ろしい瞳で 行方不明だった父親を睨みつけた。


「シンデレラは王子に渡すよ。 そして私も、もう君とは終わりにする」


「……ッ!!」

義理の母は、もう何も言わなかった。


「僕は彼を見つけ出せた。 約束通り、シンデレラとの縁は切り、そして今度一切、彼女と関わる事を禁じる」


クロードの言葉に、義理の姉であるアリシャスは目に涙を溜めている。

自分が彼を手に入れるはずだったのに、とでも思っているかのようだ。


「さぁ、帰りましょうか。 Mr.アルフィディル」


永久(とわ)の財力を手に入れようとした、欲塗れな貴族に、更なる悔しさを与えるかのように、義理の母とアリシャスを蔑(さげす)むように、笑った。


< 151 / 208 >

この作品をシェア

pagetop