拘束お姫様 *番外編開始




「Mr.アルフィディル、城へ来てはどうですか。そうすれば、シンデレラ様に会う事が出来ますよ」


ガイルの提案に、彼は静かに首を横に振る。

「何故です? ずっと、会いたいと思っていたのでしょう」


「……会う資格なんて、ありませんよ」


『裏切り者』

そう言われるのが怖いから、彼女に会いたくても、会えない。
置き去りにしていったくせに、今さら会いに来るなんて、と思っているだろうから。


愛しい娘に憎まれる。
これは、彼女を一人きりにさせた神からの罰に違いない。


「私は、帰りますね」


そう言う彼のために、ガイルはしぶしぶ馬車を止めさせた。


「王子様、ありがとうございました」


最後に切なそうに笑って、彼は行ってしまった。



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