拘束お姫様 *番外編開始





斜陽が、この街を―――そして立派なその城を、茜色に染める。

そんな中、クロードは焦る気持ちで自室へと足早に向かっていた。


「シンデレラ―――!」


扉を開ければ、夕陽に照らされる室内が目に入る。
いつも彼女はバルコニーに出て、外の空気に触れていたが、今日はその姿がない。


クロードの心は、更に焦りを感じた。


すでに父上が手を出したというのか。

その言葉ばかりが、頭に浮かぶ。


強く歯を食いしばり、彼女を捜すため、振り向こうとした時。


「王子さま?」


愛しい彼女の声が、後ろから聞こえた。



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