拘束お姫様 *番外編開始
*
斜陽が、この街を―――そして立派なその城を、茜色に染める。
そんな中、クロードは焦る気持ちで自室へと足早に向かっていた。
「シンデレラ―――!」
扉を開ければ、夕陽に照らされる室内が目に入る。
いつも彼女はバルコニーに出て、外の空気に触れていたが、今日はその姿がない。
クロードの心は、更に焦りを感じた。
すでに父上が手を出したというのか。
その言葉ばかりが、頭に浮かぶ。
強く歯を食いしばり、彼女を捜すため、振り向こうとした時。
「王子さま?」
愛しい彼女の声が、後ろから聞こえた。