拘束お姫様 *番外編開始
「母上に……?」
ドクン、と彼の心臓が跳ね上がる。
「あたし……」
一粒の涙が、彼女の頬を伝う。
母上は、そこらの貴族と同じだった。
いくつもの宝石を手に入れようと、それでもまだ、欲しがっていた。
新しい宝石が手に入れば入るほど、その度に 母上は何故か悲しい顔をしていたけれど、僕にとって、母上も欲塗れの人間だとしか、思えなかった。
( 所詮、奴隷だろう )
そう思っているのは、父上だけじゃない。
母上も、きっとそう思っているに違いない。
「あたし、王妃さまから―――」
母上は、シンデレラにひどい事を言ったのかもしれない。
もう悲しませたくはないと思っていながら、また、彼女に涙を流させてしまった。