拘束お姫様 *番外編開始
「お前―――」
国王が何かを言おうとした、その時。
「いいじゃないですか、あなた」
王妃が口を挟んだ。
「あの子は今まで、十分あなたの言うとおりに従ってきましたよ。 結婚の相手ぐらい、あの子自身に選ばせてあげるべきだわ」
「何を言っている。 お前は王子がろくでなしな国王になってもいいと言うのか」
「シンデレラは良い子よ。 誰よりも、王子の事を理解している。そんな子が、王子の価値を落とすとでも? あなたは、シンデレラの事を分かろうとしていないから、そう考えてしまうのよ」
普段口を出さない王妃に、王子は思わずたじろいでいる。
「シンデレラ。 あなた、王子の事を愛しているのでしょう?」
「はい。 何があっても、ずっと、傍にいます」
その強い眼差しに、王妃は優しく微笑んだ。