拘束お姫様 *番外編開始
戸惑いながらも、シンデレラは彼の方へ体を向ける。
けれど顔はまだ、俯いたまま。
「クロード様が違う方を選ぶのなら、それは仕方のないことだと分かっているんです」
だって誰かの想いを元に戻すことなんてこと、あたしは出来ないから。
「分かっているのに……違う誰かの所に行ってしまうのが、嫌で……」
離れないで。 一人にしないで。
「ずっと、傍にいてほしいと願ってしまうんです」
それほど、クロード様(彼)に惹かれている。
「我がままで、ごめんなさい……」
重い女だと思われてしまうかもしれない。
それが、怖い。
けれど伝えたかった。それだけ、あなたが必要なのだということを。
クロード様でないと、駄目だということを。
「謝らないで、シンデレラ」
そっとクロードの手が彼女の頬に触れる。
そして彼は少しかがんで、シンデレラと視線を絡める。
「その我がままは、僕にとって幸せなものだから。だから、謝らないで」
それは何も、悪いことではないから。
寧ろ悪いのは、僕だ。
何度も君を傷つけ、悲しませたのだから。
なのに、それでも僕の傍にいたいと思ってくれて、ありがとう。