拘束お姫様 *番外編開始
「ッ……」
クロード様(彼)は、優しい。
その優しい言葉が、胸を締めつける。
悲しくなるのではなく、さらに惹かれてしまう。
だから余計、離れたくないと強く願い、不安になる。
また一粒、頬を伝って零れ落ちる涙。
それを優しく彼は拭い、そしてまた、彼女を抱き締めた。
「不安にさせてごめんよ、シンデレラ」
ぎゅ、と彼女は彼の服を握り締める。
「僕はずっと君の傍にいる。君を手放すなんてことは、決してしないよ」
誰よりも愛しい、シンデレラ。
君はきっと知らない。
僕はもう君なしでは生きていけないということを。
もし君が姿を消してしまえば、僕は死に物狂いで、君を見つけ出してみせる。
王という地位と愛しい君。
どちらかを選ばなければいけないのならば、僕は迷わず、君を選ぶ。
それほど、僕にとって君は必要な存在なんだよ。