拘束お姫様 *番外編開始



長い階段を降り あの大きな扉を開ければ、彼が――――魔法使いが、待っている。


「あと、もう少し・・・・ッ」

けれど、

「逃がさないよ」

その階段がもう少しで終わろうとした その時、

「―――ッ!?」


一人の青年に、突然腕を掴まれる。

「王子、本当に良いのですか」


必死にその腕を振り払おうとするが、 びくともしない。

「あぁ、良いよ」


するとその青年は ひょい、と彼女を担ぐ。

「っ、降ろしてください!」

「・・・・・王子の命令には、逆らえませんので」


目の前に見えていた扉が 少しずつ遠ざかっていく。




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