拘束お姫様 *番外編開始
「それじゃ、僕は公務があるから もう行くけど。 アンタは大人しくしていろよ」
髪をクシャッとされるが、彼女はそっぽを向いたままだった。
「別にこの部屋に閉じ込めるわけじゃない。 庭にでも出れる。 あの貴族の元に居るよりは、解放されるはずだが?」
「・・・・・そうですね」
例えあの窮屈な籠の中から抜け出せたとしても、今はまた 前より広くなった籠の中に、居るみたいなもの。
「まぁ、逃げ出そうだなんて、考えるだけ無駄な事だから」
「・・・わかっています」
ただでさえ警備の強いお城から抜け出すなんて、到底無理な事。
諦めたようすの彼女を見て、彼は満足そうな表情をする。