拘束お姫様 *番外編開始
それは 彼だけの企み
♯ 1
*
「お母様! 王子様が、私の元へ!!!」
興奮したように 女の声が、エントランスホールに響く。
彼の笑顔は、舞踏会の時と同じ 偽りのもの。
「まぁ、王子様!」
まるで数々の宝石を見せびらかすかのように、シンデレラの義理の母である彼女は、
至るところに宝石を身に着けていた。
「お母様、ついに私 選ばれたのよ!」
「よくやったわ! これで私も 永遠に富豪でいられるのね!」
本人たちは小声で話しているつもりだが、それは全て 王子とガイルに聞こえていた。
「・・・・・Mrs.アルフィディル。今回は 非常に大切な事を、あなたにお話するため、やって来ました」
決して 彼はその優しい表情を、崩さない。
お母様たちは、 気味が悪いほど ニコニコと笑っている。
「シンデレラを、僕の元へ ずっと居させたいのです」
刹那、 彼女達の笑顔は 消え去った。