拘束お姫様 *番外編開始
「何故、あの子が王子様の元に居るのかは分かりませんが、彼女は 大切な娘の一人ですの」
その言葉と、明らかに嘘だと分かる、悲しい表情をする彼女を見て、王子は鼻で小さく笑った。
「シンデレラを一人で行かせるなんて、心配で心配で」
へぇ、そういう風に来たか。
さすが 欲に塗れた貴族だな。
「安心してください。 お城は警備も強いですし、彼女と近い年代のメイドもいますので、彼女が寂しがる事はないかと」
決してその微笑みは崩さず、けれど威圧を放していた。
「し、しかし・・・、やはり親として 子どもの傍に居たいものですわ」
「と、申しますと?」
「私達も一緒に、王宮に住ませていただきたいの」
予想通りすぎる返答に、彼は呆れて言葉を返す気もなくなる。