拘束お姫様 *番外編開始
「あなたがそんな事をする必要は、ないんだよ」
「・・・・・」
その微笑みを見た彼女は、呆れて言葉も出なかった。
彼は、外の世界だけではなく、お城の中でも己を偽っているのだ。
「でも、あなたが彼女たちの手伝いをしたいと望むのなら、それは許してあげよう」
またしても その言葉に彼女はいい気持ちではなかったが、 それでもやはり、嬉しかった。
「ありがとうございます」
ふわりと、彼女は無意識に微笑む。
「―――ッ、」
彼の心臓が高鳴った事は、 誰も、知りはしない。