拘束お姫様 *番外編開始
「もう寝るといい」
気付けば、先ほどまで抱き締められていたというのに、今はベッドに寝かされていた。
そして彼は 部屋から出ようとする。
「・・・王子様は、まだ眠らないのですか?」
もう、ほとんどの人々が眠りに入る時間なのに、
「あぁ、僕は今から出掛けないといけないから」
彼はこんな時間から、用事があるという。
「無理、しないで…ください、ね」
次第に語尾は小さくなり、その言葉が言い終わると 彼女は夢の中へ落ちていた。
彼の事を嫌がる少女だが、けれどやはり 彼の事を心配するのは、優しいから。
そんなシンデレラに、彼はふっ、と微笑んだ。