拘束お姫様 *番外編開始
「シンデレラ」
そこまで 彼女の心を不安にさせるつもりでは、なかった。
ただ、彼女は 何も知らなくていい。
その方が、この少女にとっても 良いと思っているから。
「無理を、なさらないでくださいね」
必死に笑顔を作り、悲しい表情を隠そうとする シンデレラの姿が、彼の心にとっては、痛々しかった。
そっ と、彼女に触れようと、手を伸ばす。
( 国を君臨するためだけに、お前は居るんだ )
彼の頭の中にその言葉が過った その刹那、彼はピタッと その手を止めた。
あと少しで それは彼女に届くのに、彼は 動きを止めたまま。