拘束お姫様 *番外編開始



( 人間なんて、嫌いだ )


まだ幼かったにも関わらず、彼は周りの人達と 距離を置くようにしていた。


( 僕も、人間なんて 嫌いだよ )


そして、彼―――ウィズと 出会った。



「くそっ・・・・」


人気のない廊下で、彼は壁に背を預け 座り込む。


初めは、彼女にこんな想いを芽生えるだなんて、思っていなかった。
ただ 他の者とは全く異なる彼女の性格に、興味を持っただけ。

そしてウィズが彼女の事を「特別」だと思っているのが、気になったから。



彼女を無理やりお城の中へ連れたあの日、彼女の秘密を知った。

あの貴族達の元で酷い仕打ちを受けているという事を知り、そして彼女もまた 孤独だという事を知り、

僕は決心した。


“あの欲に塗れた貴族達から 彼女を解放させてあげよう“ と。



決して 僕のような人には ならないように。
その無垢な心が、歪んでしまわないように。



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