拘束お姫様 *番外編開始
*
月明かりに照らされた部屋で、シンデレラは一人 ベッドに腰をかけて、窓の外を眺めていた。
時刻は11時を過ぎていた。 けれど、王子は未だ 帰って来ない。
ほとんどの人が眠りに入った中で、シンデレラだけが 彼の帰りを待っていた。
「帰りを待つ必要なんて、ないのに・・・・」
なのにどうして自分は、彼を待っているのだろう と、心の中で彼女は呟く。
けれどその答えは、もうすでに分かっていた。
「・・・・・眠るのが、恐い」
毎夜毎夜と、あの忌々しい夢を見る。
それはあまりにも生々しくて、夢とは思えないほど 鮮明なものだった。
そして彼女は眠る事を、恐れるようになった。
王子は、その事を知らない。