拘束お姫様 *番外編開始
「魔法使いさん。 約束を守れなくて ごめんなさい」
あの日、0時の鐘の音が鳴り終わろうと、彼女は 彼の元に戻れなかった。
「あぁ、気にしないで」
彼と君を出会わせるのが、 僕の役目だから。
その言葉は、 彼女に伝えなかった。
「でも、どうして魔法使いさんが此処に?」
「ウィズでいいよ。 君の様子が、気になってね。 夜はもう遅いのに、まだ眠らないのかい?」
その言葉に、シンデレラの表情は曇る。
「眠れないんです。 あの日の夢を、見てしまって・・・・」
ウィズは、彼女の過去を知っていた。
もちろん“あの日”の事も。
黒猫が魔法使いだと知らなかった彼女は、過去の事を 猫の姿だった彼に話していたのだ。