プリンな彼女
◇
───ちょっと飲み過ぎたかも。
祐里香の飲める許容範囲は、とうに超えていた…。
「新井、帰るぞ」
「え?」
いつの間にか、あたしの後ろに立っていた稲葉に腕を引っ張られる。
「すみません。俺達、帰ります」
「ちょっ、稲葉っ」
なんてあたしの言葉が届くはずもなく、稲葉に手を引かれて店を出ていた。
「大丈夫か?」
「うん」
稲葉の優しい声に、わけもなく心臓の鼓動が早くなる。
もしかして、あたしが酔ってるのわかってて連れ出してくれたの?
「稲葉?」
「お前なぁ、あんまり飲めないんだからちゃんと断れよ。あんなやつらにお持ち帰りされてもいいのか?」
「なっ、何言ってるのっ」
───お持ち帰りなんて…そんなことあるはずないじゃない。
稲葉ったら、何わけわかんないこと言ってるのよ。
「気づいてないのは、本人だけだな」
「どういう意味よ」
───わけわかんない。
それより、手を離して欲しいんだけど…。
店を出る時から、ずっと稲葉に手を握られている。
嫌じゃないけど、なんか変なんだもん。
「安心しろ、俺がちゃんと送ってやるから」
稲葉は握っていた手に少しだけ力を込めると、ゆっくり歩き出した。
───ちょっと飲み過ぎたかも。
祐里香の飲める許容範囲は、とうに超えていた…。
「新井、帰るぞ」
「え?」
いつの間にか、あたしの後ろに立っていた稲葉に腕を引っ張られる。
「すみません。俺達、帰ります」
「ちょっ、稲葉っ」
なんてあたしの言葉が届くはずもなく、稲葉に手を引かれて店を出ていた。
「大丈夫か?」
「うん」
稲葉の優しい声に、わけもなく心臓の鼓動が早くなる。
もしかして、あたしが酔ってるのわかってて連れ出してくれたの?
「稲葉?」
「お前なぁ、あんまり飲めないんだからちゃんと断れよ。あんなやつらにお持ち帰りされてもいいのか?」
「なっ、何言ってるのっ」
───お持ち帰りなんて…そんなことあるはずないじゃない。
稲葉ったら、何わけわかんないこと言ってるのよ。
「気づいてないのは、本人だけだな」
「どういう意味よ」
───わけわかんない。
それより、手を離して欲しいんだけど…。
店を出る時から、ずっと稲葉に手を握られている。
嫌じゃないけど、なんか変なんだもん。
「安心しろ、俺がちゃんと送ってやるから」
稲葉は握っていた手に少しだけ力を込めると、ゆっくり歩き出した。