プリンな彼女
…◇…
稲葉が目を覚ますと既に辺りは明るく、カ─テン越しに部屋に光が差していた。
しかし、そこはいつもの見慣れたものではない。
ふと、微かに残る唇の感触を思い出した。
『祐里香…』
「祐里香」
大きな声で名前を呼ばれて、キッチンにいたあたしは慌てて稲葉のところへ行く。
ベットで上半身だけ体を起こし、放心状態の稲葉を思わず胸に抱きしめた。
「どうしたの?稲葉。怖い夢でも見たの?」
「あっ、いや。祐里香が、いないから…」
ついさっきまで側にいてくれたはずなのに…。
大人気ないとわかっていても、急に不安になったのだ。
「今ね、朝食を作ってたの。でも、大丈夫?二日酔いになってない?」
「ごめん、大きな声を出して。結構飲んだなとは思うけど、大丈夫みたい」
「そう。だったら、シャワ─浴びてきたら?すっきりすると思うし。その間に食事の用意しておくから」
………えっ、シャワ─?
それより、未だに顔が祐里香の胸にあたっていて…そっちの方が気になって気になって。
思ったより、大きい?なんて言ったら、張り倒されるだろうなぁ…。
「そんな簡単に男に向かってシャワ─を浴びてきたら?なんて、言うもんじゃないぞ」
「だって…稲葉は…」
「ん?俺が?」
「もうっ、言わせないでよ」
せっかくの感触は離れてしまったが、その代わり稲葉はしっかりと祐里香の腰に腕を回して逃がさない。
意地悪だとは思っていても、はっきり彼女の口から聞きたかったから。
「ちゃんと言ってくれよ。俺が何?」
───やだ、もうっ。
自分で言っておきながら、墓穴を掘ったと思っても、もう遅い。
一応、彼氏なんだから、シャワ─くらいいいじゃないって思っただけなのにぃ…。
「あたしの彼氏なんでしょ?航貴は。だから…」
彼女の言葉を聞き終わるか終わらないうちに稲葉は、ぎゅっと抱きしめた。
既にシャワ─を浴びたのか、祐里香からは微かにシャボンの香りがする。
稲葉が目を覚ますと既に辺りは明るく、カ─テン越しに部屋に光が差していた。
しかし、そこはいつもの見慣れたものではない。
ふと、微かに残る唇の感触を思い出した。
『祐里香…』
「祐里香」
大きな声で名前を呼ばれて、キッチンにいたあたしは慌てて稲葉のところへ行く。
ベットで上半身だけ体を起こし、放心状態の稲葉を思わず胸に抱きしめた。
「どうしたの?稲葉。怖い夢でも見たの?」
「あっ、いや。祐里香が、いないから…」
ついさっきまで側にいてくれたはずなのに…。
大人気ないとわかっていても、急に不安になったのだ。
「今ね、朝食を作ってたの。でも、大丈夫?二日酔いになってない?」
「ごめん、大きな声を出して。結構飲んだなとは思うけど、大丈夫みたい」
「そう。だったら、シャワ─浴びてきたら?すっきりすると思うし。その間に食事の用意しておくから」
………えっ、シャワ─?
それより、未だに顔が祐里香の胸にあたっていて…そっちの方が気になって気になって。
思ったより、大きい?なんて言ったら、張り倒されるだろうなぁ…。
「そんな簡単に男に向かってシャワ─を浴びてきたら?なんて、言うもんじゃないぞ」
「だって…稲葉は…」
「ん?俺が?」
「もうっ、言わせないでよ」
せっかくの感触は離れてしまったが、その代わり稲葉はしっかりと祐里香の腰に腕を回して逃がさない。
意地悪だとは思っていても、はっきり彼女の口から聞きたかったから。
「ちゃんと言ってくれよ。俺が何?」
───やだ、もうっ。
自分で言っておきながら、墓穴を掘ったと思っても、もう遅い。
一応、彼氏なんだから、シャワ─くらいいいじゃないって思っただけなのにぃ…。
「あたしの彼氏なんでしょ?航貴は。だから…」
彼女の言葉を聞き終わるか終わらないうちに稲葉は、ぎゅっと抱きしめた。
既にシャワ─を浴びたのか、祐里香からは微かにシャボンの香りがする。