迷姫−戦国時代
狛津は八百屋から離れ一度荷物を家に置いていく為に元来た道へと戻っていく
「大体此処から小一時間程度で着くだろうから・・・」
家に着き考え事をしながら荷物を置き出掛ける準備をする
護身の為に刀を腰に挿し家までに戻る途中で買った握り飯を口に運ぶ
そして頼まれた物をしっかり手にしたのを確認して狛津は家を出た
「あんちゃん!」
家を出た所をまだ九つぐらいの少年が彼を呼び止めた
「おーどうしたんだ坊主」
「坊主じゃないやい、おいらは里丸(さとまる)って名前があんだよ!ったく何回言えばいいのさあんちゃん」
「悪いな里丸。んでその様子だと俺に何か用があるんだろ?」
「そうなんだよあんちゃん。これ直せるか?」
里丸の手には木で作られたが竹とんぼがある。それを受け取り見てみると片方羽の部分が欠けておりどうやらこれを直して欲しい様だ
「分かった。直しといたるから明日また家に来な」
「あんちゃんありがとう!んじゃ頼んだよ」
里丸はニコニコしながら黒髪をたなびかせながら駆けていく。その様子を見ながら狛津もまた歩き出したのであった