迷姫−戦国時代
二人は腰を降ろして楽しそうに話していた


「緑儀さんは西賀(すいが)にいらっしゃったのでございますか」

「はい。西賀は此処千紫にも劣らず森林が多く様々な食があり城下も発展しています」

「きっと西賀を納めている方が素晴らしい方なのですね」

「千紫が立派な故、由利殿がおっしゃるならそうでございますな」
目を細めゆっくりと掌に落ちた桜の花びらを見つめた後に美羽を見て微笑んだ


「はい、千紫を納めて下さる桜美 武則様と秋影様が立派な故でしょう」
ニコリと微笑んだ姿は誰もが見取れてしまう様な笑顔だった


「して、由利殿に聞いてみたい事があります」

「どうしたのでございましょうか?」

「何故由利殿は・・・いえ何でもない。」

「?
あの、そろそろ私は家に帰らなければいけないのですがすみません・・・」


「どうやら某も長居してしまった様だね。」
ゆっくりと立ち上げり美羽に手を貸して「ありがとうございます」と御礼をした美羽も立たせお互い顔を合わせ

「由利殿と話せてとても楽しかった。ありがとう」

「はい、私も緑儀さんと話せてとても楽しかったです」

「また、由利殿と会えますか?」

「ふふ、お互いが生きてる限りまた何処かで会えます。私はそう信じています」

「今生の別れでない事に・・・」
緑儀が美羽の髪をそっと優しく撫でた















< 34 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop