迷姫−戦国時代
とある家に辺りが静けさの中、一つだけ明かりが灯っている部屋があった












紺色の寝衣を着ている青年だと思われる男は濃い茶色の髪に翡翠色の瞳の整った顔の緑儀もとい、柏木 圭吾が一人読書していた





圭吾は一枚めくりながら視線を本から放さずに
「五郎、戻ってるのなら出て来ればいいじゃないか」


すると天井から圭吾と年が近いと思われる青年が顔をだした

「自信あったんだけどなぁ。てかオイラはいろいろと疲れてんだからちょっとは気を配ってよね」

言い終わると同時に天井から畳の上に音もたてずに着地した

「御苦労だったね。それでどうだったんだい?」

「はいこれ」
懐から箱を取り出し圭吾に渡した

箱から紙を出し内容を確認し終わえ再度五郎を見た

「これだけ、かい?」
一瞬だけ眉を寄せた表情を見せた圭吾に五郎は意地悪そうにニヤリと笑い

「オイラ疲れてるんだけどなぁ。何だったかな」

チラッと圭吾を見て大袈裟に言う五郎を横に圭吾はフワリと口に円を書き
「某は、五郎を甘く見てたようだね・・・なら階級を下げようか「あーあー!!オイラってば今思い出した!言うよ言うよ!オイラってば凄い優秀なんだから!」



微笑んでいる圭吾をよそに五郎は苦虫を噛み潰したような表情をしながら

「旦那には悪いけど薄茶に赤い瞳をした子なんてこの国には居ないよ」















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