迷姫−戦国時代
美羽は髪を一つに結い絹の着物では無く綿の薄い黄色の着物を着て部屋の中央に座っていた
彼女の手元には弓と矢そして懐刀が置いてあった
それを見つめ
これは現世とは違い人を殺す武器。許して下さい・・・
私は御父様、御兄様と共に千紫を護りたいのです
「姫、失礼します」
天井から声がそれが浅波だと分かった美羽は良いと答えた
目の前に浅波は現れ
「秋影様から援護せよと命ぜられ参りました」
と答えた
「ねぇ浅波。何故楠木殿は千紫を攻めるのです。千紫は一体何をしたと言うの?」
「戦国の世である今。己の欲の為に人は人を平気で傷付けるのだよ」
「私には、分かりたくなどありません」
「姫・・「姫様大変でこざいます!!園部様が率いる兵が浬張兵に討たれたと連絡が来ました!!」
二人はキヨの言葉に目を見張った
「そんな・・・!園部殿・・・宮火・・・」
落胆する美羽を他所に浅波はしっかりとした口調で
「美羽様、我々に指示を出してください!敵はこちらに向かってるのです」
美羽は手元にある弓や矢を装備し懐刀を懐に入れ緊張した面立ちになる
「今から行きます。浅波、キヨ行きますよ」