迷姫−戦国時代
「・・・クッ」



まだ息はあることを分かった俺は直ぐに起き上がり義父上を横にさせた



園部の身体は背中などに深い切り傷などが所々にあり宮火は眉を寄せた

「何故俺を、助けたのですか義父上・・・何故俺なんか」


園部は酷い外傷をおいながらも笑顔を見せた

「言っただろう・・・。
お前は俺の息子だ。子供を護らずに・・・親の顔なんか出来るものか」




「今、傷口に手当をします」

園部は手を上げ宮火へと向けた

「良い。己の身体の事は己が一番分かっている。
それに今もまだ戦中だ。
俺の分まで・・・千紫を護ってくれ・・・!」

「だが義父上を・・・・」

「行け!
お前は、父の顔に泥を塗るのか?!」

「父上・・・」

「やっと、そう呼んでくれたな。だが悲しいな、もうその言葉を聞けそうにない。俺はもうじき死ぬ」





「まだ間に合いま「もう善いのだ。父の最後の言葉を聞いてくれ・・・」


段々と声の大きさが小さくなっていく園部を見て宮火はしっかりと父園部を見た

「お前とはまだまだゆっくりと話たいと思ったが、出来そうにない」

「はい・・・」





「俺が仕えた時はまだ美羽様が生まれてばかりの時。武則様は清明で千紫を心から愛しており、また家族の様にして下さる尊敬の御方だ。秋影様はまだ若いながらも立派な御方だ。美羽様はこれからも美しくなり沢山の男がほっとかないだろうな。
宮火・・・お前に初めて会った時は何処か人間離れしてる様にも感じた。だが、次第に変化が見えて来た。その時俺は嬉しかった。

何回も言うが例え血は繋がらなくとも、お前は由緒ある園部家の・・・







俺の立派な息子だ」




宮火は園部の手をしっかりと掴めば園部は何処か安心した表情になっていった


「お前を・・・誇りに思っておる・・・しかと・・・生きる・・のだ。
桜美家を・・・・・・・・・護れ・・・」



園部は瞳をゆっくりと閉じ握っている手に力を感じなくなったのが分かり宮火は両手を前に握らせた












「ゆっくり休まれて下さい父上。また戻ってきますが今しばし待ってて下さい」





宮火は立ち上がりその場を後にした







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