迷姫−戦国時代
園部達率いる兵達が打たれた後、浬張兵の騎馬隊は山を下り駆け出していた
















「姫様!敵が直ぐそこまで見えております」

「分かっております。皆さん、準備は善いですか」

「はい!」

そう言い城の者達は足元に幾つか転がった丸められたぼろ布を手に持った

美羽も皆同様に手にぼろ布を持って構えた






「必ずこの城は護ってみせます」




騎馬隊は少しずつ城まで来ており後少しで始まる戦に息を飲んだ





「後少し、後少しです。
え・・・?

!!」

皆は目を見開いた


何故なら浬張兵の騎馬隊は城には目もくれずに城を通り越し馬を走らせていたのであった







「何故・・・ですの?」



事の状況をいち早く理解した浅波は美羽へ話し掛けた

「姫!奴らの狙いは城ではなく別でありました」

「城ではないという事は・・・
!浅波、今直ぐ御父様と御兄様の方へ向かって今の状況を伝えるのです!」

「は!」

浅波は目の前から居なくなり美羽は驚愕した

「そんな・・・あの騎馬隊は城へ攻撃のではなく最初から御父様と御兄様が護っている所へ挟み撃ちするつもりで。だから足の早い騎馬隊を・・・」





その声はとてもか細く恐怖によるものであった


















嵌められた罠





< 61 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop