迷姫−戦国時代
治療を終えた後宮火は一つ礼をした後に目の前から居なくなった


その間城には傷ついた兵達で充満していた
















「私も行かなくては・・・」

包帯などを持って薬を拾おうとした美羽の前に一つの陰が出来た



陰から段々と視線を上げていき美羽は眉を潜めた

「貴方はどちら様ですか?」

話し掛けた相手の風貌は全身を黒の布で身を包み顔半分だけ出した状態の若い美羽ぐらいの歳の少年がいた

「始めましてお姫様。長(おさ)に護衛を頼まれた伍郎って名前なんでそう呼んで下さい」

首とは浅波の事である。つまり少年は雰囲気からしても忍と感じさせられる異様な空気を漂わせていた


「・・・そうですか。よろしくお願いいたします」

美羽は少年に微笑み少年の肩が少し揺れた

「そっかぁ・・・」

ボソリと言葉を吐いた少年に首を傾けた

「?」

「あ、ごめんねー。こっちの話しなんで気にせずに」

伍郎は足元にある薬を拾い美羽の包帯を取り上げ「さ、行こう」と言い前を歩き出し美羽も伍郎に付いて行った













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