迷姫−戦国時代
その頃秋影が護る西側はというと



「秋影様我々を今から武則様の所に援護しに行かせて下さい!」

家臣達は秋影の前に集まっていた

「駄目だ!君達の気持ちは嫌でも分かる。だが此処を離れる訳にはいかないのは君達も分かるだろう。我々は何の為に此処にいるのだ」

強く吐いた言葉に家臣達は何も言う事が出来なかった


「秋影様」

秋影の前に宮火が現れた


秋影は宮火の姿に目を見開いた

「宮火、生きていたのか。よくぞ生き抜いた。他の皆はどうなったんだ」


「自分以外は生き逃れませんでした・・・」

表情を曇らせて答えた宮火に秋影も「そうか」と苦虫を噛潰した表情をした

「それでどうしたんだい」

「はい。自分は父上の最後の願いでもあり己の意思で少しでも戦力になると思いますので俺を使い下さい」

「そうか園部殿の願いでもあるのか。分かった宮火には先陣を頼むよ」

「ありがとうございます」



秋影は家臣達の方へ向き凛とした声で話し始めた


「我々は自分達の家族を護る為に此処にいる。その事を己の心により強く刻むのだ。それが戦で亡くなってしまった者達への最後の敬意でもある。分かったか」


家臣達は声を揃えて「はっ!」と答えた







< 67 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop