迷姫−戦国時代
パチンと指をならした後


お互いの身体が段々と透けていったのに気付いた

「あの、一つ聞いてもいいかな?もう一人の美羽さんって何でそんなにも言葉が丁寧語なのですか?」

「そうですねー、それは家と言いましょうか身分と言いましょうか・・・」

「もしかして何処かの姫・・・・とかは言わないで下さいね・・・?」

「はい、わたくしは桜美一族の“姫”として生まれるのでしたのですわ。今はもう一人の美羽さんが姫として生まれるのですわ」

「え・・・・姫、ですか?
ちなみに何時代の・・・」

「今は戦国時代ですがいずれは戦のない幸せな時代が来るはずですわ。
つまりお互いのいた世界とは異世界と言う訳ですわ。フフ」

「(戦国時代とか・・・生きてられるのか不安です(泣))そ、そうですか、アハハ」







お互いが腹部まで透明になっていき後少しの時間しかないと嫌でも感じる

「二つ質問するね。一つ目は、また会えますよね・・・?」

「はい、お互いが信じいてれば必ずやまたお会いしますわ」


同じ顔なのにこんなにも優しそうに微笑みをしたもう一人の美羽さんを見て私は少し泣きたくなった

「もう一人の美羽さんは、強いね」

慌てた様子で手を前にし交差させて
「そんな、わたくしなど強くはありません」





「二つ目は・・・」
美羽はもう一人の美羽を抱きしめた




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