水魔法と闇魔法
ラーナは喜びと自信にあふれた顔で、
ガイウスにこう言った。
「ありがとうございます、ガイウスさん。
私、魔術師になって世界を救いますから!」
ガイウスはきょとんとした後、苦笑した。
「今まで、何人もの者が『世界を救う』『一番強くなる』といってこの門をくぐって行ったが、
誰一人として、名をとどろかせたものはいなかった。
死んだやつも大勢いる。
…お前も、その者達と同じだ」
少し、悲しそうな表情を見せて
「…だが、私はその者達を信じた。お前も例外なく、信じてやろう。
救えるものなら、救って見せろ。
均衡が崩れた、この世界を」