水魔法と闇魔法
始まりの夜
彼女が街に着いたのは、
日付が変わった少し後のことだった。
田舎から街へ行くにはかなり時間がかかり
羽織ったマントはボロボロ
少し持った食料も
ランプの火も消えかけていた。
「つ、着いた…!」
長い道のりを歩いてきたため、肩で息をしている。
街の周りはぐるりと高い壁で覆われていて
入り口が見つからない。
はてどうしたものか、と考えた後
「すいませーん!!!街に入りたいんですがー!!」
と、大声。
「誰か―…」
再び大声をあげようとしたとき。