Complexxx.
あと30mくらいのところで、入口付近に人影が見えた。
よく見ると、壁によりかかっている菅原くんだった。
「菅原くん!」
私が名前を呼ぶと、菅原くんも私に気づいたようで、手を挙げた。
「遅れてごめんね。」
私は息を切らしながら言った。
「急がなくていいっていったじゃん。けど……よかった。来てくれて……。」
「…うん。ごめんね待たせて。」
「いいよ。外出たら、ちょうど谷崎きたし。中行こう。」
そういって私は中に入った。
個室のドアを開けると25人くらいが集まっていた。
『おー遅かったな菅原!1時間も外で何してたんだよ。』
……え?
……1時間??
「うるせーよ」
菅原くんは笑いながら
菅原くんに声をかけた友達たちの所へいった。
菅原くん、1時間も外で私のこと待っててくれてたの??
『外出たら、ちょうど谷崎きたし。』
さっきの言葉が浮かぶ。
『なーなー!!』
誰かに呼ばれてふと顔をあげると、奏絵が手招きをしていた。
「何ぼーっとしてるの!席開けといたよ!」
そういって、隣の席をバンバンと叩いた。
「ありがと。」
かなえとは中1の時に同じ班になって、からの親友。
陸上部でボーイッシュな髪に小麦色の肌。サバサバした女の子。そんな性格が私は大好きなんだよね。